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信仰問答
「聖天信仰の手引き」の中の信仰問答(四十編)から七つほどの質疑応答を抜き出して、要約でご紹介します。
よその聖天様へお詣りしてよいか
問 私はいろいろな関係から、よその聖天様へもよくお詣りをしておりますが、別に差し支えないもので
しょうか
答 よその聖天様へのお詣りすることは、決して悪いことではありません。ただ、平生お詣りしている聖天
様でたまたまお願いしたことがかなわないからといって、転々と歴参して、どこかの聖天様に願いをか
なえてもらおうとする虫のよい御信心の仕方はやめて頂きたいと思います。自分と深く結ばれたお寺
の聖天様を忘れずに、細く永くすがっておれば、必ずその心願も成就されるでしょう。あくまで本来をお
忘れなきよう心しておけば、よその聖天様のお詣りはいっこうに差し支えがありません。
月詣り
問 私は月詣りのつもりで、毎月一回ご縁日にだけお参詣させていただいており、あとは毎日自宅で拝んで
おりますが、それでも御利益を頂けるものでしょうか。
答 あなたのなさっていることは間違っておりませんし、ご加護も頂けましょう。ただ、月詣りと日参とではご利
益の出方で差がありますし、もし一身上の浮沈に関わる大事件に直面した場合などは、可能なようなら日
参した方がよろしいでしょう。
聖天さまはこわいか
問 聖天様は賞罰のするどい、こわい神様だということをきいています。また一度ご縁を結んだら、生涯お仕え
しなければいけないということもききます。途中で信仰をやめたり、怠ったりしたときには、恐ろしいお罰を受
けるそうですが、そんなことが本当にあるのでしょうか。
答 コワイとかおそろしいとか、そういういい方をするのはどうかと思いますが、ともかく不思議なお働きでお示
しをいただくことが多く、当山の古いご信者さん達は皆一様に、そういう体験をもっていられます。観音様の
ような仏様を慈母型とすれば、聖天様は厳父型の仏様です。ある場合には偏屈おやじのようなところもあり、
かと思えば細やかなやさしさを示して下さることもあります。非常に強い愛情をもって、ご信者を守って下さる
のであります。人間にもそういう人がいますが、そういう人の愛情を裏切ったら、その立腹もまた大きいので
はないでしょうか。聖天様にもそういう御性質があることを、よく知っていなければなりません。信仰が深まる
につれ、お助けも強くなるかわりに、お叱りも強くなるのです。しかし聖天様のお叱りはどこまでも信者可愛さ
のあまりのお叱りであり、お諭しであったり、大難を小難にするためであったりすることは、あとになってそれと
わかるのであります。
お罰のこと
問 座談会の記事の中に、お聖天様の「お罰」のきびしいことが出ていましたが、私も相当長く信仰させてもらって
いますが、、まだお罰をいただいた経験はありません。お罰はこわいものですか。
答 お罰は障碍とも言い、無論人によって一様ではありません。同じ行いをしても「お罰」をいただく人と、いただか
ない人とがあります。それはどういうわけかと申しますと、同じ父親でもおとなしい長男の失策は大目に見るが、
やんちゃ坊主の次男のいたずらには、厳しい精彩を加えるというようなもので、どちらにしてもわが子をよくしつ
けてやろうとの、大悲の御心のあらわれなのです。お叱りを受けるということは、それだけ深く目をかけていただ
いている、証拠だと考えていいと思います。そういう時は悲観せずに、よくお詫びをしてお叱りの意味を味わね
ばなりません。お叱りをうける人は、また御利益をいただくことも大きいのです。
御尊像をおまつりすること
問 私はお山でいただいたお礼をおまつりしていますが、「御像」をおまつりした方が利益が大きいという人がある
ので、「御像」をおまつりしたいと思っています。しかし「御像」をおまつりしてはいけないと言う人もいます。どう
したものでしょうか。
答 聖天様の「御像」は秘仏としておまつりすることが、古来の原則になっています。「御像」は鍵の下りるお厨子に
収めてみだりに出すことは出来ず、定期的に修法者に「浴油供」をしてもらわねばならず、普段の給仕も厳格を
要します。「御尊像」をおまつりしてから、面白くないことが起こるようになって困り、当山に収めに来られるご信
者も相当あります。そういうことが起こるので、在家の人が「御尊像」をおまつりするのはちょっと無理があり、お
札をおまつりしてお寺へ数繁く御参詣なさることをお勧めします。
断ちもの
問 お聖天様にお願いするとき「断ちもの」をすれば、いっそうよくきいて下さるとのことですが、どういう「断ち
もの」をしたらよろしいのですか
答 聖天様は、「断ちもの」をせねば願をかなえてやらぬというわけではありませんが、「断ちもの」をすると願
の成就が早いことは事実です。「断ちもの」はあなたの一番好きなものでなければ、意義をなさぬことに
なります。ただしいったん「断ちもの」をしたら、途中で取り消しは絶対に出来ませんから、禁を犯したときは
相当のお叱りをうけることを覚悟しなければなりません。
夫婦まいり
問 生駒様は、夫婦参りを嫌われるという人がありますが、そうでしょうか。
答 聖天様が男女双身の神で、あられるところから勝手に考えられた俗説で、とるに足りませんが、それを信じ
ている人も相当あるようです。歓喜天は宇宙の真理たる、陰陽和合の象徴であらせられ、とくに和を喜ばれ
る神様です。夫婦和合を嫌われる理由は全くありません。それどころか、つとめて夫婦揃って信心しお参りな
されるところに、いっさいの御利益が頂けます。安心して御夫婦でお参り下さい。
聖天信者が神仏を信仰するの可否
問 聖天様を信仰している者は、他の神仏を信仰してはいけないでしょうか
答 お願い事に関しては聖天様に絞って一本槍にした方が良いですが、その他の神仏を崇敬することは、
ちっとも差し支えありませんし、また、それが当然であります。聖天様ならばどこでも良いかという問題
もありますが、初めにご縁があって救っていただいたところを中心とすべきです。ただし、住居が遠くな
って、とてもお参り出来ないという時は別です。あと、祖先、先亡はあつく祀らねばなりませんし、お願
いすることもちっともさしつかえありません。