林屋友次郎博士について


「聖天信仰の手引き」は、戦前から戦後にかけて実業家、仏教研究者として活躍された林屋友次郎博士が記された、在家信者のための聖天信仰の指南書です。アマゾンや一般の書店ではまず入手不可能ですが、現在の版元である東京都品川の大井聖天(大福生寺 〔所 在 地〕 140-0011 品川区東大井3丁目21番25号 〔TEL〕 03−3761−3087)に赴いて直接買うか(代金3000円)、電話で連絡すれば通販でも購入することが出来ます(通販の場合は別途送料がかかります)大井聖天ではこの他に「大聖歓喜天利生記」(代金3000円 通販可)も販売しているので、併せて購入されると参考になるかと思います。

聖天信仰の手引き

「聖天信仰の手引き」著者の林屋博士について、待乳山聖天の属する聖観音宗の清水谷恭順貫主より作中に序文が寄せられています。

・・・この「聖天信仰の手引き」を書いた林屋博士は、聖天さまの御利益を頂いて、戦前に百万長者(※現在の億万長者)となり、そうなるとすみやかに実業界を去って、もっぱら仏教学を研鑽し、仏教の大学教授となりまた文学博士の学位をも得て、名利ともに一代の成功者となった人でありますが、これまったく聖天さまを信仰して、賜った福徳利益であります。

博士の信仰法、拝み方、御利益の受け方等を懇切丁寧に説き、さらに加うるに、聖天行者として、人生の大部分を奉仕供養に過ごされた、藤本真靖大阿闍梨の、親切な信者の心得や、手引きをもあわせ示されたのが、この玉篇であります。本書は上述のように、尊い聖天さまの功徳利益が説かれてあるのですから、これを足で踏む畳の上や、不浄の所へおいてはいけません。

また本書は聖天さまの信仰について、誰にもよくわかるように説いてありますから、尊天さま(※聖天さま)の信者には、よく読むことをお勧め致しますし、さらに一般の仏教信者特に、毘沙門天・大黒天・荼吉尼天・弁才天等の、天部を信仰せらるる方々は、これを拝読されますと、信仰上必ず得るところが多大であります。・・・

屋友次郎博士の略歴は以下のとおり

明治十九年 石川県金沢生まれ
明治四十三年 慶応大学理財科を卒業
三菱合資会社銀行部に入社
大正四年 東京鋼材(現在の三菱鋼材)社長に就任
大正十五年 同社社長を辞任し、駒沢大学教授に就任
昭和十五年 東京帝国大学より文学博士の学位を受ける
戦後、再び実業界に戻り、会社整理の官選整理委員を務める。
昭和二十八年 心筋梗塞により逝去。享年六十七歳

また林屋博士は、戦後、冷遇され路頭に迷うこともあった傷痍軍人の救済に立ち上がり、傷痍軍人の更生団体である友愛十字会を結成、多くの傷痍軍人を助けるために奔走されました。博士の人柄は、大変に人徳が厚く、人情家であったと言われています。この一事をもってみても頷ける話ではないでしょうか。

「聖天信仰の手引き」はほとんど唯一と言って良いほどの、在家信者向けの聖天信仰の手引き書であり、本気で聖天様を信仰したいのであれば、是非手元に置いて、繰り返し読んでおきたい一冊であると思います。

まだ購入されていない人の参考のために、自分の手元にある「聖天信仰の手引き」の本文の目次を以下に書いておきます。(口画および序文等の紹介は割愛させていただきます)

― 本文 ―

一、聖天信仰の手引き・・・・・・・・・・文学博士 林屋友次郎述

   一  新しい信者のための聖天信仰の仕方
   
   二  祈願の籠め方

   三  聖天様の拝み方

   四  お詣りの仕方と順序

   五  お寺へのご祈祷の頼み方 

   六  華水供の作法とその意味

   七  浴油供の作法とその意味

   八  自宅での祀り方・・・・・・・・・・藤本真靖

一、信仰問答・・・・・(四十編)

一、聖天様と十一面観音のお姿(お像)・・・文学博士 逸見梅栄

   一  聖天様のお姿

   一  十一面観世音のお姿

一、追憶

   一  林屋先生の学問・・・・・・・・・・文学博士 水野弘元

   一  林屋先生の信仰・・・・・・・・・・新宗教新聞社長 大石秀典

   一  恩師をしのぶ・・・・・・・・・・竹内崇元

一、その頃の思い出・・・・・・・・・・藤本真靖

一、編集雑記(続)・・・・・・・・・・同

一、全国天堂巡拝記・・・・・・・・・・同

一、編集のあとで・・・・・・・・・・同

一、洗心抄・・・・・・・・・・生駒歓喜誌掲載

一、全国歓喜天奉安寺院一覧表